アートプロジェクト高崎 ART PROJECT TAKASAKI

THE ECHO

2016.9.24 SAT - 10.4 TUE
高崎シティギャラリー 第1展示室・予備室(観覧無料)
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2008年、横浜ZAIM にて開催されたECHO展は、21人の若手アーティストによる自主的な展示活動として組織されました。学芸員の選考によって編成される地域芸術祭や美術館といった既存の枠組みに対し、同世代、同都市における共通認識を核として、若手アーテイストによる同士評価(peer evaluation) と相互紹介によって有機的に組織されました。現代アートにおける国内最大級のイベント横浜トリエンナーレに合わせて行われた第1回ECHO展は、国内外より大きな反響を生み、その後も中核メンバーの移動によって、第2回目のベルリン(2012年、ベタニアン)、第3回ケルン(2013年ケルン日本文化会館)へと引き継がれ、開催都市のアートシーンを吸収しつつ発展し、第4 回の本企画へと至りました。
高崎における『ECHO 4』は、本企画の発起人である鬼頭健吾と、ECHO第1回展からの出展作家大庭大介など、計13名の作品で構成され、光と色彩の効果が、彫刻、映像、絵画など領域横断的に展開されます。偏光パールのアクリル絵の具を用い、鑑賞者がキャンパスの前を移動することで色面が表情を変える絵画作品を見せる大庭大介。日用品としてのアルミホイルを用い、巨大で複雑な形状をあらわす三家俊彦の彫刻作品、原色に彩られた多数のアクリルプレートが回転しスポットライトの反射によって無限の広がりを見せる鬼頭健吾の空間構成、音や光などを組み合わせた映像やインスタレーション、パフォーマンスで知られる小金沢健人など、東京都現代美術館、金沢21世紀美術館、横浜美術館など、圏内でも指折りの現代アート美術館で紹介されている作品群が一堂に介します。また、山本麻紀子によるワークショップ、榊原澄人によるアニメ作品など、地域コミュニティーの理解と参加をえられる構成を心がけ、日常生活や都市風景の延長に、国際的な現代アートの文脈が連結する市民参加型の展覧会を実現し、芸術文化の街高崎における現代アートの広がりを深く印象づけます。

アーティストプロフィール
(50音順)

大田黒衣美
Emi Otaguro

1980年福岡県生まれ。東京造形大学美術学科絵画科専攻を卒業後、東京藝術大学大学院にて修士課程修了。愛知県在住。ボール紙、チューイングガムや鶉の卵殻、ビニールシートやトタン板など、身の回りに存在する日用品や大量生産された工業製品から描画材や支持体を選択し、物語を紡ぎながら作品制作を行う。

大庭大介
Daisuke Ohba

1981年静岡県生まれ。画家、京都造形芸術大学大学院准教授。2007年東京藝術大学大学院美術研究科油画修了。光の移ろいや鑑賞者の立ち位置によりイメージや色彩が変容しつづける絵画を特殊な偏光系のアクリル絵具をもちいて様々な道具やルールを設定した方法論をもとに多角的に展開させる。

鬼頭健吾
Kengo Kito

1977年愛知県生まれ。高崎市在住。鬼頭健吾は、日常にありふれた既製品を使い、そのカラフルさ、鏡やラメの反射、モーターによる動きなど、回転や循環を取り入れた大規模なインスタレーションや、立体や絵画、写真など多様な表現方法を用いた作品を発表。現代の人工的な色彩感覚や輝きと、生命体や宇宙を感じさせるような広がりを混在させている。

桑田卓郎
Takuro Kuwata

1981年広島県生まれ。2001年に京都嵯峨芸術大学短期大学部美術科陶芸コースを卒業、2002年に陶芸家財満進氏に師事、2007年に多治見市陶磁器意匠研究所を修了。現在は岐阜県土岐市に工房を構えて制作している。第6回益子陶芸展(2006年)での濱田庄司賞をはじめ、受賞多数、国内外で個展やグループ展を行なっている。

小金沢健人
Takehito Koganezawa

1974年東京生まれ。98年武蔵野美術大学卒業後、99年ポーラ美術振興財団、2001年から文化庁芸術家在外研修員3年派遣の助成をうけドイツに留学。ドイツ・ベルリンを拠点 に、世界各地で作品を制作発表する。「運動と時間」に焦点をあてた作品、インスタレーション、ドローイングなど多彩な手法を用いて作品を制作する。

榊原澄人
Sumito Sakakibara

1980年北海道生まれ。長野県在住。私的な題材を主題に、反復/変化/フレーム構造などを用いた、複数の同一人物や物事が一つの空間内に同時多発的に映し出される映像インスタレーションを制作。2014年、スイスのAnimatou国際短編アニメーション部門で大賞を受賞したほか、多数の国際的なアワードを受賞している。

竹村京
Kei Takemura

1975年東京生まれ。高崎市在住。写真や描かれたドローイングの上に刺繍を施した布を重ねた平面のインスタレーションを発表。刺繍をするという行為は、竹村にとって「仮に」という状態を作り出すことを意図しており、既に存在しないものや記憶のかけらをより具体的な存在へと昇華させる。国際的に高い評価を獲得しながら活動の場を広げている。

ニシジマ・アツシ
Atsushi Nishijima

1965年京都府生まれ。‘80年代半ばよりライブ・エレクトロニック・ミュージックによる演奏を始める。その後、サウンド・オブジェやインスタレーションなどの制作も始め、Citycircus-Rolywholyover A Circus-JohnCage (New Museum of Contemporary Art, NewYork, 1994) に出展するなど、国内外の展覧会やイベントに多数参加し、作品制作・演奏を行っている。

©Mizuki Kin

ハラサオリ Saori Hara

東京生まれ。幼少よりクラシックバレエ、モダンダンスを、大学にてデザイン、アートディレクションを学び、2012年より東京とベルリンを拠点に作家活動を開始。以後、日本や欧州各国で制作と発表を行う。日常的な人の運動や所作に潜む美しさと違和感をテーマに振付をおこし、舞踏譜、ドローイング、映像なども制作する。

パラモデル paramodel

林泰彦(デザイナーを経て、2001年 京都市立芸術大学構想設計専攻卒業)と中野裕介(2002年 同大学日本画専攻修了)が2001年に結成したアートユニット。共に東大阪出身。『パラモデル:世界や心の色々な部品から組み立てる、詩的な模型/設計図 』というコンセプトを核に共存、互いの視差 [parallax] と関係性を生かし、多様な形式で作品を制作。

三家俊彦 Toshihiko Mitsuya

1979年大阪府生まれ。2004年成安造形大学造形美術科彫刻クラス卒業。現在のアルミホイルの彫刻シリーズは、台所用アルミホイルで作られた300 体の彫刻を並べたインスタレーション"The indignant"から始まった。幼少期からこの小さい彫刻を遊びの中で作っており、このインスタレーションは言わば、幼少期の記憶ストレージの中からの再構成と言える。

山本麻紀子 Makiko Yamamoto

1979年京都府生まれ。京都市立芸術大学院 美術研究科 絵画専攻 構想設計修了。参加者や協力者と社会環境を取り込んだサイトスペシフィック・プロジェクトを手がける現代美術家。2013年より、茨城県水戸市とイギリス・コーンウォール州の子どもを対象に、地元に残る巨人伝説を基軸にしたワークショップ・プログラム“だいだらぼうとホリバーン”を継続して行っている。

※本展に出品されるパラモデルの作品は会期中に作家が滞在し、公開制作されます。

ワークショップ

「デーラボウ?ダイダラボッチ?ディラボッチャ? -巨人さんの謎に迫ろう」
山本麻紀子

10月2日(日) 10:00~16:00
高崎市総合保健センター4F運動室/参加費無料

日本各地にはたくさんの巨人伝説が残っています。高崎には、榛名富士(山)を作ったといわれている巨人さんがいます。「大きい」をテーマに、巨人さんの世界に近づいてみよう。伝説を元に、巨人さんが残していったものを造作したり、巨人絵図を制作します。

パフォーマンス

「逃げる光、転がる女」
小金沢健人、ハラサオリ

9月24日(土) 19:00開演/18:30開場
高崎シティギャラリー コアホール/観覧無料

アーティスト・小金沢健人とダンサー・ハラサオリによるステージパフォーマンス。ドイツを拠点として活躍する若手2人の日本人アーティストが多彩な手法を用いておこなう即興の身体表現。

ワークショップ 募集要項

10月2日(日) 10:00~16:00  会場:高崎市総合保健センター4F運動室
対象:小学1年生~6年生 30名/参加費:無料
※お弁当・飲み物をご持参ください ※当日は汚れてもいい服でお越しください
※完成した作品は後日展示します。

-お申し込み-

氏名、住所、電話番号を高崎財団までお電話にてご連絡ください(先着順)。
APT事務局(高崎財団内) Tel:027-321-1213(土日休)